「仕事ができるってどういうことだろう」
「仕事ができる人ってどんな特徴があるんだろう?」
「今よりも仕事ができるようになる為にはどうしたら良いんだろう」
今日はそんな悩みを持つあなたの指標となることをお伝えしていきます。
「マネージャー」として「仕事ができる」とは
「仕事ができるようになるには」
ビジネスパーソンとして誰しもが一度は考えることだと思います。
私も新人時代は毎日のように考えて、反省して、本を読んで実践して・・・。
その繰り返しと上司からの厳しくも温かいご指導を受けて、クライアントからも評価頂く程に成長できました。
同じような悩みを持つ方は年齢問わずにいらっしゃることでしょう。
しかし、その立場や経験によって「仕事ができる」ということの捉え方が変わってきます。
今回から「作業者」としてではなく
「マネージャー」という役割を求められる方を念頭にした「仕事ができる人」が備えている特徴を5つお伝えしていきます。
これまで私が出会ったマネージャー以上のコンサルタントに共通している特徴です。
- 頭の中にプロジェクト俯瞰図がある
- 目的からの逆算ができる
- 相手の思考を想像できる
- 関係者の力量や負荷状況を把握している
- 人を大事にしつつ衝突を恐れない
以上5点が、私の出会った優秀なコンサルタントの方々が備えていた特徴です。
仕事ができる人の特徴①:頭の中にプロジェクト俯瞰図がある
1つ目「頭の中にプロジェクト俯瞰図がある」について見ていきましょう。
頭の中にプロジェクトの俯瞰図がある・・・。
俯瞰図という言葉が「具体的に何を指しているか」はケースバイケースです。
戦略案件であれば中期経営計画かもしれませんし、業務系の案件であれば業務フロー図かもしれません。
システム開発案件におけるリードプログラマーであれば、オブジェクト図やコンポーネント図かもしれません。
案件特性によって変わる部分はありますが最低限、以下の内容はリーダーの頭には入っています。
- マスタスケジュール
- ステークホルダー/組織体制図
- システム構成図
マスタスケジュール
全体のスケジュールやマイルストーンがなければ、いつまでに何をしていけば良いのか判断ができません。
予期せぬタスクが発生した際や進捗に遅れが生じた際に、何を優先とすべきかを瞬時に判断できる人がいます。
マスタスケジュールとマイルストーンが頭に入っているからです。
全体を俯瞰したときに、何が重要なのか、後続の作業に対する影響を極小化する最善策は何か。
これを考えて判断するのが、優秀なマネージャーです。
ステークホルダー/組織体制図
次にステークホルダーの相関図や組織体制図といった人に関する俯瞰図です。
当たり前ですが、人にはそれぞれの担当領域があります。
そして職位や権限といったパワーバランスも存在します。
これらの情報を元に、
「この相談事はAさんだな。」「Bさんに頼むと動きが悪いから、上司のCさんから落とし込んでもらおう。」
などの実務遂行上の最短ルートや、
後でひっくり返しがないように必ず押さえておくべき重要人物を頭の中で捉えています。
システム構成図
最後がシステム構成図です。
システム開発案件はもちろんですが、業務や戦略がテーマのプロジェクトでもITが切り離せない時代です。
何かしらの示唆を得られたときにシステム的な影響はどうなるのか、
もしくはシステム的に実現可能なのか、
といった判断を早期に行う為にはシステム構成を把握しておく必要があります。
何もミドルウェアの製品名といったレベルまで把握する必要はなく、
システムが業務上で果たす役割やデータの流れを把握していれば大方の判断は可能です。
俯瞰図を頭に入れるコツ
これらの俯瞰図は既に誰かが作成していることもあるでしょう。
ですが、既存の資料を一生懸命読んでも頭は入りません。
俯瞰図を頭に入れる最適な方法は「自分で作る」ことです。
仮に誰かが作成した既存の資料があったとしたら、それを自分の手で「模写」してください。
自分で作成する(模写する)と、資料の各要素の整合性や意味合いについて否が応でも考えさせられます。
その「考える」という行動が感情とも結びつき、俯瞰図に記載されている内容が自然と頭に入っているのです。
既存の資料が見にくい場合、新しくフォーマットを作り直しても良いかもしれません。
そのまま、あなたの評価に繋がります。
資料のフォーマットやフレームワークに悩んだら、以下の本をご覧になることをオススメします。
有益な思考法やフレームワークが整理されており、私も資料作成や考えに行き詰った際にお世話になっています。
仕事ができる人の特徴②:目的からの逆算ができる
私の新人時代に上司から口酸っぱく言われたことがあります。
「ゴールからの逆算で考えろ。」
当時は言葉としての意味が理解できても、実務としての意味は理解できていませんでした。
ここであなたに考えて頂きたいのは「目的からの逆算」をしていない場合の作業に意味があるか、ということです。
戦略や計画を立てるにしても、何かリサーチをするにしても、
その結果として目的が達成されなければ、その作業は無駄になります。
あなたの上司であるマネージャーから
「アジアにおける○○市場の規模について調べておいて。」という指示を受けたとしましょう。
その市場規模に関する情報は、何かの目的を達成する為に必要な情報ということになります。
例えば、経済成長著しい東南アジアの特定国への事業進出を検討しているというケースとしましょう。
アジア全体の市場規模を調べたところで参考にはなるでしょうが、
どこの国が高成長率なのか、市場参入余地があるのか、といった議論の材料には使えません。
作業を行ったとしても目的に照らした際に効果がないのであれば、それは仕事ではなく趣味です。
目的からの逆算ができるというのは、実務としての仕事をする為の基礎的な思考でありスキルです。
上司から指示を受けた際に、目的が分かっていれば適切な粒度でリサーチを進めることができます。
チームや部下を守り、育成する為の思考・スキル
上記はどちらかと言えば「作業者」としての観点での「逆算の重要性」でした。
では、マネージャーや管理職として「目的からの逆算」ができるとは何を意味するのでしょうか。
ここまで記事を読んでくださったあなたなら分かると思います。
マネージャーが「目的からの逆算」ができるということは、「チームや部下を守り、育てること」を意味します。
上司であるマネージャーからの指示は基本的には正しいものとして部下は捉えます。
その指示内容が不明瞭であったり、
目的達成に寄与しないのであれば、その指示を受けて行った作業は無駄になってしまいます。
部下の大切な人生の時間を無駄に費やさせてしまったのです。
指示を出すのであれば、
自らが目的・ゴールへの道筋を分解して、部分的に部下へ作業を振るということができていなければなりません。
そして部下に対しても、自身の作業が目的・ゴールに通ずるものだと自覚させなければなりません。
先ほどの例で「アジアにおける○○市場の規模について調べておいて。」という指示をだしたマネージャーが登場しました。
果たして、このマネージャーの頭の中では逆算ができていたのでしょうか。
少なくとも、部下の頭には逆算の道筋が映らなかったのではないかと思います。
おかげでアジア市場全体という、検討に資することのない粒度で情報を取りまとめてしまいました。
上司からのレビューで軌道修正ができたとしても、無駄に時間を費やしてしまいました。
結果として部下が思うのは以下の3パターンのいずれかでしょう。
- 「そんなことも分からない自分はダメだ・・・。」と自信をなくす。
- 「どうせ指示するならそこまで言ってくれないと。」と上司への信頼をなくす。
- 「自ら目的を確認しない自分が悪い。次から気を付けよう。」と反省する。
多くの上司は「勝手に」最後のパターンになることを期待しています。
しかし、常に望む結果になるとは限りません。
マネージャーが自らの指示不足を詫びずに、
部下を責めるようなことをすれば1つ目か2つ目のパターンになる可能性も高いでしょう。
そうなっては部下の健全な成長は見込めないか、人間関係を含めた心理的な状況改善に至るまでに時間を使ってしまいます。
逆算ができていなければ、部下の時間を効率的に使うことや成長に資する経験を積ませることもできません。
「逆算の訓練」は日常生活でもできる
ここまで管理職やマネージャーとしての逆算の重要性を記してきました。
では、管理職やマネージャーを目指す人間(これまで指示を受けて作業をこなしていた人間)が「目的からの逆算」を体得するにはどうすればよいのでしょうか。
1つの方法は「自らの仕事意味合い(成果)を明確に意識する」ことでしょう。
どんな仕事にも企業活動を継続させていく上での意味合いがあります。
自らの生活の為という手段であることもあるでしょうが、何かしらの目的(得たい成果)があるはずです。
目的・ゴール・成果、これらを意識したときに自分の作業は、どのように貢献しているのか、他の人の作業はどのように貢献しているのか、と考える癖をつけましょう。
2つ目の方法は私が良くやることです。
仕事とは全く関係のないことですが「料理をする」ことです。
コツはレシピを見るのではなく、料理という完成形に向かって、必要な工程や材料を逆算して分解して考えるのです。
簡単な例でいえば、オムライスを作るとなったら「薄焼き卵」と「チキンライス」が必要です。
「薄焼き卵」は最後に焼いて乗せるかライスを包むようなので、先に「チキンライス」から作る必要があります。
チキンライスは・・・。
と、このように逆算して調理工程を考えてみて、最後に答え合わせとしてレシピを見るのです。
お子さんがいらっしゃる方は、料理の簡単な工程(卵を割る等)をお子さんに手伝ってもらっても良いかもしれません。
気付きましたか?
仕事で作業を指示するのと同じですよね?
ぜひ「料理で逆算思考訓練」を試してみてください。
仕事ができる人の特徴③:相手の思考を想像できる
プロジェクトメンバーやチームを率いて仕事を推進していく。
マネージャーとして上記の役割が求められる以上、実現するには「高度な対人能力」が求められます。
前半2つの特徴では、プロジェクトを進める為の全体感を捉え、逆算に基づくタスク設計やタスク振りが出来ています。
しかし、最後には「人」を巻き込めなければマネージャーとしての責務を果たすことは難しいでしょう。
人を巻き込み動いてもらうためには信頼と納得が必要です。
信頼と納得を得るためには、
相手の考えていることや相手の気にしていることをキャッチして応えてあげることが効果的です。
飲食店でテーブルが食べ終わった食器で一杯になったときに
「食べ終わったから、ゆっくりしたいのにテーブル狭いな」と思ったその瞬間、
店員さんが食器を片付けてくれたら・・・。
あなたはどう思いますか?
3つ目の特徴である「相手の思考を想像できる」という点についてお伝えします。
この特徴は、仕事を進めるうえで重要な局面である会議で発揮されます。
(中にはいるかもしれませんが)
読心術やメンタリズムを学んだ訳ではない人間が共通に備える特徴として「相手の思考を想像できる」というのは、
俄かには信じがたい部分もあるでしょう。
しかし、大きく2つの観点でマネージャークラスのコンサルタントは「相手の思考」が分かってしまうのです。
「相手の理解度」が想像できる
1つ目は「相手の理解度」が想像できるという点です。
主にコンサルタント自身がプレゼンター(発表者や報告者など)であるときに発揮される能力です。
発表内容や報告内容、議題の節目節目で「何かご質問はございますか?」と聞くことは、基本中の基本です。
ですが、マネージャー以上のコンサルタントは問いかけずとも相手の理解度が想像できます。
そして、必要に応じて聞かれる前に補足的な説明を加えたり、
より分かりやすい表現に言い直すことで、関係者の中で「置いてけぼりになる人」を出さないようにしています。
「相手の言いたいこと」が想像できる
もう1つの観点は「相手の言いたいこと」が想像できるという点です。
これは1点目とは逆に、オーディエンス(聴衆や報連相を受ける立場)でいるときに発揮されます。
部下から報告を受けるときを想像してください。
部下としても報告したい内容はあるのだけど、結論とは関係のない情報を先に伝えてしまう。
その結果を取り繕うように、結論から遠ざかった不要な情報を脈絡なく報告してしまう。
あなたも身に覚えがあると思いますが、このようなシチュエーションで上司は部下の言いたいことが分かるのです。
思考想像力=観察力×論理力
相手の思考を想像できる力を「思考想像力」とします。
これらは思考想像力により実現されるのですが、そのカラクリはとても単純です。
思考想像力=観察力×論理力
観察力
理由はとても単純ですが、相手の表情や仕草を観察しているのです。
人間は不安になると、無意識に身体の一部を触り出すと言われています。
「自己親密行動」という名称で、あなたも聞いたことがあるかもしれませんね。
このように心理面と無意識な行動というのは一定の法則があります。
ただし、その法則というのは人によって変わるものです。
髪を触る人もいれば、頭を掻く人もいれば、腕を組む人もいれば・・・。
ある程度は類型化できてもどのような行動かという明確な答えはありません。
ただ、人が疑問や懸念を抱いているときには「表情や仕草に変化が生じていることを知っているか否か
この差で、あなたの「巻き込み力」は格段に変わってきます。
論理力
もう1つの要素である論理力。
この能力・スキル自体は改めて説明する必要はないでしょう。
ここでは思考を想像するための活用方法についてご説明します。
それは、論理的に考えて「相手が考えそうなこと・言いたそうなこと」を仮説として導き出すのです。
その論理的導出の材料は、会議や報連相の目的や相手が常日頃から気にしている点や癖などになります。
先ほど例示した部下の報告についても、上司としては報告の内容がある程度ですが予想できています。
そのうえ、部下が報連相時に遠回りな説明をしがちという傾向と、
焦ったときに手の平をズボンに擦り付けて手汗を拭く癖を把握していたのです。
「このままでは部下の報告は支離滅裂のままだな」と判断して、相手の言いたいことを論理的に整理してあげる。
これが観察力と論理力により成せる技です。
観察力を高める為の日常訓練
突然ですが、あなたは日頃から観察力を鍛える訓練をしていますか?
論理力はビジネスパーソンの必須スキルと認識されているので「鍛えなければ」と思う方も多いでしょう。
では、観察力は鍛えていますか?
答えが「No」という場合、観察力を鍛える為に飲食店や喫茶店に行ってください。
喫茶店や飲食店で、あなた以外のお客さんが何を望んでいるのか観察するのです。
「あの男性客、空っぽのコップを何度か見ている。店員さんが近くにいないから言えないけど、水が飲みたいんだな。」
「カップルで来ている2人組のテーブルが食器でいっぱいだ。デートでゆっくり会話したいだろうし、店員さんがお皿下げてくれたら喜ぶだろうな。」
このように他のお客さんが望んでいそうなことを想像して、そのまましばらく観察を続けてください。
そして、実際に店員さんがお客さんの望む行動をした後に、お客さんが取るであろう行動も想像してください。
例で言えば、店員さんがお水を注いだ後に男性客はお水を一気に飲み干すでしょう。
お皿を下げた後にカップルは距離を詰めて話し出すでしょう。
私が喫茶店や飲食店をオススメしたのは、ある程度の時間はお店に滞在して観察することができるからです。
じっくりと観察して答え合わせをした方が訓練になりますし、観察対象のお客さんは入れ替わりでたくさん来店してくるのでオススメです。
とはいえ、あなたが喫茶店や飲食店にあまり行かないのであれば、
通勤電車の中で「この人はどこの駅で降りるのだろう」という推理ゲームを行ってみるのもオススメです。
仕草や表情という情報からの観察は難しいですが、
年齢や性別、服装や荷物などの情報から推論する良い訓練になります。
日々の積み重ねであなたの観察力が鍛えられ、ひいては思考想像力も鍛えられます。
仕事ができる人の特徴④:関係者の力量や負荷状況を把握している
プロジェクトやチームを率いるマネージャーには、
プロジェクト関係者の実力や心身の健康を考慮したタスクの割り振りが求められます。
しかし、他人の実力や心身の健康状態を把握するというのは「言うは易く行うは難し」です。
管理責任者としてプロジェクトを成功させると共に、
特にメンバーに対してはモチベーション管理やメンタルヘルスケアなども求められます。
モチベーションやメンタルヘルスケアに関して、
心理学的知見に基づいた専門理論(動機付け理論や職業性ストレスモデル等々)はたくさん存在しています。
「これらの理論が頭に入っていればメンバーへの接し方や管理にヒントを得られるのではないか」
そのように思われる方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、心理学的知見に基づいた専門理論を知っているに越したことはないのです。
でも難しいことを考え過ぎず、
自分専用の「ステークホルダー管理簿」と「定期的な非公式面談」でメンバーの実情を把握しましょう。
ステークホルダー管理簿
まずはプロジェクトマネジメントとして基本的なお話からです。
プロジェクト体制図や組織体制図などから
ステークホルダー(プロジェクトに関係する人や組織)の役割・印象・期待を整理しましょう。
形式的な体制図はどのプロジェクトにも存在すると思います。
体制図から一段階深掘りした自分専用の「ステークホルダー管理簿」を作成するのです。
自分が直接関わった人について以下のことをメモしていくのです。
要素 | 内容 |
---|---|
氏名 | そのままですが、自分が分かれば良いので愛称でも良いです。 |
所属 | 組織体(会社名やチーム名)を記載してください。 |
役割 | 所属している組織における役割や果たすべき責任です。ここまでは形式的な情報です。 |
印象 | あなたの抱く印象を書いてください。 「話しやすそうなのか・とっつきにくいのか」程度でも構いません。 |
期待 | 「この人がこう動いてくれたら」という期待です。 あくまでプロジェクト推進に寄与する内容である必要があります。 |
形式的なステークホルダーマネジメントではなく、
自分がプロジェクト推進していくことを考えるのであれば、
自分が直接関与できる人に対する実情把握に労力を割いた方が効果的です。
上記5点について、自分の理解をそのままに書いてください。
そして、印象や期待の通りに関係者がプロジェクトに影響を与えているのかそうでないのか、暫く観察してください。
そうすることで相手の実情が見えてきます。
また「数カ月前は期待通りだったのに、最近は少し・・・。」という違和感を感じたら、
相手の身に何か起こっている予兆かもしれません。
これは公式的な資料ではなく、自分用の資料です。
テキストでもExcelの表でも良いです。
ですが、保存場所は少なくとも自分専用ストレージに留めておくことをオススメします。
「定期的な非公式面談」のすすめ
メンバーの状況を把握するためには、日頃の人間関係も重要ですが「非公式面談」を実施することがオススメです。
前提として、人事評価には影響を与えないことを伝えましょう。
「非公式」という意味はこの点にあります。
人事評価としての面談だと意識させてしまうと、本音での会話ができなくなります。
部下が安心して本音を話せるように人事評価に直接的な影響はないことを明言しましょう。
もう1つのポイントはあくまでも話す主体は部下であるという点です。
非公式面談は「上司としてのあなたが部下であるメンバーのことを聞かせてもらう場」です。
上司は聞き役に徹するつもりで、
共感や同調といった傾聴スキルを駆使して部下の悩み事や不満・不安、
もしくは仕事への意気込みや意欲などを引き出してください。
非公式な面談であればこそ、人と人との会話ということで本音が伺える機会が増えていきます。
最初は部下も警戒するでしょうが、面談を繰り返していく内に徐々に心を開いてくれます。
非公式という前提付きでも心の壁があると感じた場合は、あなたの方から本音を語ってみましょう。
「実は最近、疲れが取れなくてね・・・。」
「やっぱりプロモーションを考えているときは楽しいな!」
このように自己開示をしていくと、少しずつですが相手も「私も話そうかな」という気持ちになってきます。
ぜひお試しください。
メンバーからの「謝罪」が増えたら要注意
日頃のコミュニケーションや非公式面談をするときに、意識していただきたいことがあります。
それは「謝罪の言葉は増えていないか」ということです。
負荷が高まり疲労が溜まると自尊心が低くなりがちです。
これは自分の体験談ですが、心身ともに疲労が溜まっていたときは、明らかにメールでの謝罪文面が多くなっていました。
仕事の手伝いをお願いするときも、
普段なら「ありがとうございます」なのに、
疲れているときは「申し訳ないのですが」という言葉を使っていることに気付きます。
私は自身の謝罪が増えたら危ないサインだと知っていますが、知らない方もいらっしゃるでしょう。
あなたの部下もそのことを知らない可能性があります。
日頃から部下の謝罪が増えていないかを意識して、あなたが気付いてあげてください。
仕事ができる人の特徴⑤:人を大事にしつつ衝突を恐れない
後半3つは、管理職・マネージャーとして重要な人を率いて仕事を推進していくうえで必要な対人能力に直結する特徴です。
最後の5つ目は、特に他者と意見や考え方の対立が起こったときの姿勢についてです。
あなたも「本音と建前」や「経営と現場」といった板挟みに困惑したことがあるでしょう。
仕事を進めていくときに意見や考えの対立が発生することがあります。
優秀なマネージャーは、
プロジェクト推進に必要であれば衝突をも恐れずに意見を述べ、
意見の対立を解消していくように利害調整やファシリテーションをしていきます。
その言動の根底には、2つの想いが感じられます。
関係者へのリスペクト
1つ目の「関係者へのリスペクト」は日頃の姿勢です。
プロジェクト関係者であれば、
例え簡単な事務作業しかしていない相手に対しても感謝と尊敬の念を抱いています。
それも当然ですよね。
簡単だとしても企業活動を継続していくためには必要な業務です。
その業務をしっかりとこなしてくれている方がいるから企業活動は継続し、
マネージャーを始めとしたプロジェクトメンバーはプロジェクトという非定型的な業務に集中できるのです。
私も常駐形式のプロジェクトに参画した際に、
クライアント企業の社員さんが入館証や席・業務用パソコンの手配等を迅速に行ってくださいました。
あるプロジェクトでは、
当時のメンバーではどうしても対応できない課題が発生したので、
私のチームに急遽メンバーを増員する必要が生じたときの話です。
本当に迅速な事務手続きを行ってくださり、話が出た週のうちに新しいメンバーは一緒に働いていました。
おかげで、プロジェクト推進に大きな影響を与えずに課題を解決することができました。
私たちの生活は様々な方の働きに支えられています。
コンサルタントは多くの企業や事業をコンサルティングしていくうちに、
本社の経営機能から現場の清掃員まで様々な人によって社会が支えられていることを知っていきます。
「この販売戦略に現場の店員は適応できるのか」
「システムを刷新したら事務作業は効率的になるのか」
このように様々な目線で、
戦略・業務・ITの妥当性検証や実現をしていくために、想いを馳せる機会が多いことが理由でしょう。
プロジェクトへの責任(衝突を恐れない)
しかし、想いを馳せるだけでは、本来の目的であるプロジェクトの成功には至らないこともあります。
プロジェクト成功の阻害要因として、
度々立ちはだかるのが「コンフリクト」と呼ばれる立場や考えの違いによる対立や軋轢です。
マネージャーはそのような状況に陥ったとしても、臆せずに恐れずに「外部のコンサルタント」という立場で意見を述べていきます。
プロジェクトの成功が、
クライアント企業やそこで働く従業員、そして商品・サービスを通して顧客を幸せにすると信じているからです。
意見の対立があったとしても、必要であれば対立が発生した原因や理由を考えて解消に全力を注ぎます。
単純な誤解が理由であれば相手の立場になって、相手が理解しやすい言葉を用いて再度説明をするでしょう。
条件に対する期待水準の相違や認識の相違であれば、会話をすることで比較的容易に対立の解消が可能です。
「自分の立場が危うくなる」といった感情の問題にまで発展していれば、対立の解消は一苦労です。
解消に向けて大事なのは、「何か」をずらしつつ、対立者間でのWin-Winを目指すことです。
この「何か」が時間なのか、立場なのか、目線なのかは状況次第ですが、以下の方法が有効です。
- 時間や距離を置く(自分以外の人間を仲介者として立てる)
- 目線を上げさせる(経営や社会に寄与することを訴えかける)
- 未来に目を向けさせる(将来的にメリットがあることを訴えかける)
マネージャーは自身が若手コンサルタントだった頃に、
自分の上長が対立を恐れずにクライアント企業と議論をしていたことを目にしています。
プロジェクト成功やクライアント企業からの感謝をいただくことができたという成功体験があるので、
自身も勇気を持って臨めるかもしれません。
脈々とプロフェッショナルとしてのマインドが引き継がれていき、
コンサルタントやコンサルティングファームの成長に繋がっているのだと思います。
まずは自分の意見を持つこと
私は正直なところ、人との対立は苦手です。
HSPという気質を持ち、心理学を専攻していたからでしょうか。
他人の感情変化や考え方の相違について、周りの人よりも敏感に気付いてしまうことが多いです。
何も気付かなかったら素直に自分の意見を言うだけで良いのですが、相手の立場を考えすぎてしまう癖があり、その分、疲弊してしまうのです。
それでも最近、意識していることがあります。
プロジェクト成功に必要な意見を持ち、その意見を自分が信じること
他者に流されず、自分の意見を持つということが最初の一歩だと思います。
誰かと議論するときに「受け売り」で話していては想いが乗らず、対立解消には至りません。
まずは、あなたが信じる成功への道筋をしっかりと考えてみてください。
それが人との衝突を恐れない道への始まりです。
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