<書評> 3000年の叡智を学べる 戦略図鑑:孫子の兵法からGAFAまで

コンサルタントとして経営戦略を学んでいると、「孫氏の兵法」や「ランチェスター戦略」など、実際の戦争で使われていた考え方に触れる機会が多々あります。

戦場の状況や競合企業の動向を偵察し、社員や資金という戦力をどの事業に分配するのかを考える。

企業間の競争は、市場で生きるか死ぬかのビジネス戦争です。

ビジネス戦争での戦い方を理論化した経営戦略を学ぶと、そこに戦争における戦略の考え方が踏襲されているのも不思議ではありません。

ですが、実際の戦争で使われていた考え方が生まれた背景やビジネスへの応用について深く考える機会がありませんでした。

そんな私も書籍【3000年の叡智を学べる 戦略図鑑】によって、戦略が生まれた背景や「戦略の進化」を学ぶことができました。

目次

オススメ読者

正に、マーケティングや経営戦略の初学者にオススメしたい入門の1冊です。

  • 経営戦略を学び始めた新人コンサルタント
  • マーケティングや経営企画の部署に異動したばかりの人

その理由はこれから知識が増えていく「戦略」という概念の大枠を楽しく学ぶことができるからです。

私の場合でしたが、経営戦略を学ぼうとしたとき、難しい言葉が散りばめられた教科書的な本か最新のビジネス環境にフォーカスを当てた本が多かった印象です。

気になっていた「孫氏の兵法からのGAFAまで」を分かりやすい言葉で端的に、イラストを用いて説明してくれている本はありませんでした。

何事も新しいことを学ぶ際には、大枠の流れを押さえることが重要です。

でないと、せっかく学んだことが枝葉末節(主要でない枝葉の部分)を深く学んでいて、体系的知識が身についていないことにすら気付けないこともありえます。

スペシャリストやエキスパート、専門家と呼ばれる立場でビジネス環境を生き抜くという”戦略”を描いているのであれば、それも一案です。

ただ、全体感を知ったうえで戦力集中しているのか、目先にことに飛びついて猪突猛進なのかは長い目で見れば大きな差となって現れるでしょう。

「全体感を把握する。それも簡単に。」

その目的にこの本は最適だと思います。

目次

直接的にビジネスを取り扱ってはいない古代・中世の戦略から、IT時代の戦略まで広く説明しています。

各章での繋がりは特にないので、気になるキーワードからパラパラと読んでいくような辞書的な使い方もできる本です。

一度しっかり学んでも時間の経過と共に記憶は薄れていくもの。

そんなとき、簡単に復習ができるというのは助かりますね。

  • 第1章 古代・中世・現代の戦争戦略
  • 第2章 競争戦略
  • 第3章 競争を避ける競争戦略
  • 第4章 産業構造の戦略
  • 第5章 実行の戦略
  • 第6章 イノベーションの戦略
  • 第7章 IT時代の戦略
  • 第8章 戦争戦史

書籍概要

私が思う良い特徴を3点、お伝えしたいと思います。

90分で38の戦略を学べる

まずは何と言っても「90分で38の戦略をざっくりと学べる」ということです。

本書のプロローグにも以下の記載があります。

本書は、ビジネスの世界ですでに大きな力を発揮している最新の戦略をはじめ、永年受け継がれる古い戦略の知恵まで、ざっくり「大づかみ」するための初歩の1冊です。

3000年の叡智を学べる 戦略図鑑

この記載からわかるように、詳細まで踏み込むことを目的とはしていない本であり、初学者が概要を把握するために出版された本だということがわかります。

あなたも以下の38の戦略に関するキーワードについて「ざっくりと大づかみ」したいと思ったことはありませんか?

  • 孫氏の兵法
  • ハンニバル・バルカ
  • ユリウス・カエサル
  • チンギス・ハン
  • ニコロ・マキアヴェリ
  • マイケル・E・ポーター
  • ジェイ・B・バーニー
  • ビジョナリー・カンパニー
  • 戦略プロフェッショナル
  • ランチェスター戦略
  • ブルー・オーシャン戦略
  • ファイブ・ウェイ・ポジショニング
  • 競争しない競争戦略
  • トヨタ生産方式
  • ブロックチェーン・レボリューション
  • テンセント
  • すごい物流戦略
  • ジェフ・ベゾス
  • 戦略サファリ
  • 経営は「実行」
  • ハイ・アウトプット・マネジメント
  • ティール組織
  • 知識創造企業
  • ピーター・F・ドラッカー
  • イノベーションへの解
  • ゼロ・トゥ・ワン
  • 両利きの経営
  • プラットフォーム・レボリューション
  • 情報の文明学
  • GAFA
  • ピョートル1世
  • ナポレオン・ボナパルト
  • カール・フォン・クラウゼヴィッツ
  • 南北戦争
  • リデルハート戦略論
  • 日露戦争
  • 毛沢東
  • ベトナム戦争

戦略史MAPで俯瞰的な図を頭に入れる

上述の38のキーワードを列挙するだけでは、各キーワードについて興味があっても全体感を押さえることができません。

そこで役に立つのが、プロローグの最後に描かれている「古代から現代までの戦略史MAP」です。

古代において戦闘中の力学として生まれた戦略。

時代の流れと共に、武力から経済へと戦いの概念が変化していくなかで、様々な考え方が生まれたことを見開きページで俯瞰して把握することができます。

この全体感を押さえることが、ここの戦略を学ぶうえで何よりも重要だと思います。

各戦略のポイントを3つに絞って学習

最後の特徴としては、戦略キーワードを学ぶうえでのポイントを3つに絞って図解していることです。

各戦略キーワードを学ぶ前提として、「考えた人・成立の経緯・内容」を簡単にまとめてくれています。

そのうえで、各戦略キーワードを3つのポイントで説明してくれているので、成立の経緯からキーワードの中身までを学ぶことができます。

「孫氏の兵法」を例にすると、3つのポイントはこのように記されています。

「孫氏の兵法」 3つのポイント

  • 敵の強みをよけて戦う
  • 戦わずして勝つのが最善の策
  • 勝つために必要なのは武力だけではない

このポイントそれぞれに対して1ページずつわかりやすく図解をしてくれているので、絵を眺めるだけでも「ざっくりと」理解することができるので勉強時間・復習時間の節約になりますね。

オススメ実践内容

繰り返しになりますが、あくまでも戦略の進化をざっくりと学ぶための本です。

なので、この本は「入門書」であり「辞書」です。

手元に置いておくことをオススメします。

そして、可能であれば、戦略史MAPを自分で簡単にお絵描きしてみると、より理解が深まると思いますよ。

まずは写経をして、その後はあなたが気になった戦略キーワードを足していくことで、オリジナルの戦略史MAPが作成できます。

MBAなどでケーススタディを行っている方は、扱っているケースがどの時代に当てはまるのかを考えてみても面白いかもしれませんね。

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