【レビュー】うつでも起業で生きていく【林直人×和田秀樹の対談あり】

うつ病を始めとしたメンタルヘルス問題を抱えていると不安に思うことがあります。

うつ病経験者として、実際にこんなことを思いました。

「会社で働き続けるのは無理だ」

「人間関係や時間に縛られたくない」

「でも、生きていくための収入は確保しないと・・・」

もし、あなたもそんな悩みを抱き始めたら【うつでも起業で生きていく】を手にしてみてください。

読み終わって感じるのは「失敗しなければ、それでいい」ということ。

輝かしい起業家のようなキラキラなエビソードや功績を残すことはないかもしれません。

そこを目標にしない「うつ病らしい起業への向き合い方」を著した新しい「うつ本」です。

目次

オススメ読者

「うつ病×起業」というテーマを扱った本はこれまで出会ったことがなく、見つけた瞬間に即購入しました!

コンサルタントという少し特殊な仕事をするなかで、うつ病を患った私。

成長とストレスのバランスを真剣に考えるようになりました。

バランスを取る1つの手段として「起業」というのは考えたことはあるものの、コンサルタントという仕事以上に激動の世界に足を踏み入れる覚悟はなく・・・。

しかし、激動の世界とするかどうかは自分次第だと、この本を読んで思いました。

うつでも起業で生きていく】オススメ読者

  • うつ病で会社勤めが合わないと感じる方
  • うつ病・精神疾患を抱える方向けの自己啓発本を探している方
  • うつ病だけど、どうにか生きていきたい方

書籍概要

書籍概要として、この章では著者と目次ベースでどんなことが書いてあるのか概観しましょう。

著者(林 直人)

本書を著したのは「林 直人(はやし なおと)」さんです。

  • 林 直人(はやし なおと)
  • 1991 年宮城県生まれ
  • 仙台第二高等学校時代に、学園祭実行委員会と勉強で体調を崩し、うつ病を患う
  • 独学で慶応義塾大学環境情報学部に入学し、在学中に勉強アプリをつくり起業するも大失敗
  • その後、毎日10 分指導するネット家庭教師「毎日学習会」を設立

高校時代にうつ病を患ったということで親近感を抱いていたのですが、仙台第二高等学校は偏差値72!

宮城県内で偏差値一位の秀才が集う高校で、偏差値50代の高校に通っていた自分との距離を感じました。笑

その後、慶応義塾大学に独学で合格もできたって、どんだけ地頭いいんでしょうか・・・。

とはいえ、うつ病を患ったもの同士!!

拝読させていただくと、学ばせていただくことは多くありました。

和田秀樹さんという精神科医も推奨している本ですので、うつ病の方も安心して読んでください。

章構成

以下が目次になります。

うつでも起業で生きていく 目次

  • はじめに
  • 第1章 うつの人は自己啓発本を読むのはやめよう
  • 第2章 うつでも生きていける起業の方法を考えよう
  • 第3章 うつでも参入できる市場はどこか考えよう
  • 第4章 うつでもできるビジネスプランを考えよう
  • 第5章 払ってはいけないお金を考えよう
  • 第6章 モチベーションについて考えよう
  • 第7章 事業を継続させる方法を考えよう
  • 第8章 人を雇うことについて考えよう
  • 第9章 うつの人が生き延びる方法を大富豪から学ぼう
  • 第10章 うつの人と社会との関係について考えよう
  • 巻末対談 「選択肢」としてのうつ病起業 和田秀樹×林直人
  • おわりに

真面目で完璧主義者が多い「うつ病」経験者には、第1章からして衝撃ではないでしょうか。

私もそうですが、自己啓発本の類は結構読んできました。

読むと元気になるし、自分も優秀でバリバリ仕事ができるスーパーマンになったように思えるので大好きです。

でも、錯覚なんですよね。

そんなお話から、著者が起業をして、うつ病起業家として社会の中で生きていく術を追体験しつつ、実際に自分で無理のない起業をするためのヒントが得られる構成になっています。

書籍詳細

それでは、各章の内容を確認していきましょう。

第1章 うつの人は自己啓発本を読むのはやめよう

著名な自己啓発本を読むはやめましょう。

うつ病の人には「思考を現実」にするとか、多すぎる「7つの習慣」を守るとか、希代の起業家である孫正義のように生きるとか、そんな生き方は向かないのです。

かねてから、自己啓発本は一種の麻薬だと感じていました。

自己啓発本を読んで、やる気になる。

挑戦がうまくいかなかったり、時間が経ってモチベーションが下がると、どんどん刺激的な自己啓発本を求めるようになる。

全ての自己啓発本を否定するわけではありません。

でも、自己啓発本の著者と自分が同じ存在だと勘違いをして暴走する危険性を孕んでいると感じます。

結局は、行動をして結果を出していかないと、自己啓発本の著者と同じような結果には辿り着けないんですけどね・・・。

そもそも、うつ病の人は行動するエネルギーが不足しがちなので、自己啓発本の類とは相容れないんです。

では、起業を目指すうつ病の人が読むべき本は?

法則を著者の林さんがまとめてくださっています。

・著者が経営者本人であること

・日本で事業を展開していること

・本に書いてある内容を実際に実践し、成功していること

・一代で、小規模なビジネスを大規模なビジネスに発展させていること

うつでも起業で生きていく, p42

自己啓発本を読んで一時的な「やる気」に惑わされず、スモールビジネスからビッグビジネスに発展させた経営者が自ら書いた本が良いとのこと。

上記の法則に当てはまる本として、林さんもご紹介されていた「アイリスオーヤマ」の会長の著作は、気になったので購入してみました。

第2章 うつでも生きていける起業の方法を考えよう

うつ病の人が目指すべき起業とは?

それは「失敗しない起業」であり、「生きていける起業」です。

うつ病の人はIPOして企業売却による巨万の富を得る、なんて成功ストーリーを目指さず、コツコツと行きましょう。

書籍にはこんな言葉が。

うつ起業で大事なのは「Youtube, Google, Amazon」貯金

うつでも起業で生きていく, p67

うつ病になりやすい人の性格は、いわゆる「真面目・完璧主義者」が多いです。

なので、他の人がやらないようなジャンルに対して、「Youtube, Google, Amazon」貯金と呼ばれるコンテンツを配信を、継続的に行っていく。

1日10分でも大丈夫。

体調が悪いときには、何もやらなくてもOKです。

これがうつ起業の術、です。

このブログもコツコツとした起業に繋がるかもしれません!!

うつ病の人は大きな成功を目指すのではなく、「生きていける起業」「失敗しない方法」を考えることが大事です。

第3章 うつでも参入できる市場はどこか考えよう

うつ起業のスタンスを理解できる第2章でしたが、実際に起業をするときの市場・産業選びは死活問題です。

競争相手の多い業種・業態で起業をしてしまったら、名将が覇権を争う戦場に農民兵が鍬を持って飛び込むようなもんです。

大事なのは「衰退産業っぽい業界」を選ぶこと。

本当に衰退しきっている産業だと、ビジネスとしては成り立ちません。

でも、成長産業だとライバルが多すぎる。

なので「衰退産業っぽい」ところがポイント。

あとは、うつ病の自分ならではの「繊細さ」や「丁寧さ」を活かせるような商材・商売を見つけられるように、自己分析!

うつ病起業で興すべきビジネスは?

  • 「衰退しそうでしない産業」を探すこと
  • 自分以外は「面倒くさい」と思うようなこと
  • 自分の分身(動画・記事・本など)が24時間365日働ける商売を探すこと

第4章 うつでもできるビジネスプランを考えよう

どんどん具体的な話に入っていきます。

第4章では、「ビジネスプランを考えよう」ということで、かなり具体的なアイデアが出てきています。

しかしながら、実現するにはスキルや人脈が必要なものばかり。

あなたが起業するうえでのアイデアの奇抜性というか特異性を比較するための基準や参考として捉えれば充分かな、と思う章です。

この章で最も大事なのは「自分の当たり前で稼ごう」というメッセージです。

本業のコンサルタント業での話ですが、私のチームには資料の細かいフォントサイズや色使いを整えることが得意な人がいます。

確かに細部ではあるのですが、資料のボックスがガタガタだったら読みにくいですし、読み手の目線で字が小さかったら本題に入る前に無駄なストレスを与えてしまいます。

本人は呼吸をするように、自然と目に入ってパッと直してしまうのですが、こういう細かい整頓が苦手な人は多いです。

「あなたにとっての当然」が他人にとっても当然ではなく、そこに価値があるというのはビジネスの基本ですね。

自分の当たり前を、ロングテール理論に当てはめてビジネスとして展開できる分野を選ぶことも大事です。

ロングテール理論とは、小さいけれど幅広いニーズを取りにいくような戦略です。

本書でも例として扱われていたのは、決算分析の動画配信。

日本国内の上場企業を対象に決算分析を重ねていけば、それだけで立派なコンテンツになります。

積み重ねていけば、その界隈で有名になって新たなビジネスチャンスが舞い込むかもしれませんね!

第5章 払ってはいけないお金を考えよう

この章では「守り」の考え方について扱っています。

うつ病経験者はわかると思うのですが、常に気分よく仕事ができるものではありません。

家から出たくない日も、誰とも話したくない日も普通にやってきます。

なので、不要なお金は払ってはいけません!!

うつ病起業に限らず、払ってはいけないお金はあるものですが、以下の10項目は特に注意ということです!

うつ病の人が払ってはいけない10のお金

  • 家賃
  • 広告費
  • 人件費
  • 原価
  • コピー機
  • 借金
  • 株式投資
  • 出資
  • 不動産
  • 自分へのご褒美

第6章 モチベーションについて考えよう

モチベーションというのは便利な言葉です。

ガソリンのようにも見えるし、言い訳にもできる。

でも、うつ病の人はモチベーションの波が激しいんです。

だから、著者も言っていますが「やる気の有無」にかかわらず、元気なら仕事をして、そうでないなら休むことを意識しましょう。

その前提でビジネスを組み立てていくことが重要になります。

となると、トレンドブログなんかは、うつ病の人とは相性が悪いでしょうね。

ずっとトレンドを追っかけていかないといけないですから。

面白動画系の配信も合わないでしょう。

他人を笑わせるために頑張り続けるってのは、疲れます。

というか元々やろうと思うような「うつ病」の人はいないか・・・。

第7章 事業を継続させる方法を考えよう

この章は、起業をして月間の営業利益100万円以上を継続して出せるようになってからの方に向けたお話。

次からの章にも繋がる内容ですが、より長く事業・ビジネスを継続していくためのマインドセットが中心。

第7章で学ぶべきことは、本書の173ページに書かれている以下の1文に集約されているように感じました。

ましな体調のときに魂を入れて一つひとつの仕事を丁寧に真面目にこなせば、飯は食える

うつでも起業で生きていく, p173

調子の良いときに、お客様のためになることを真剣に考え、全力で仕事をすれば良いのです。

第8章 人を雇うことについて考えよう

事業を継続していき、事業自体が拡大していくと、人を雇うことも視野に入れることがあるでしょう。

それは、うつ病の人でも例外ではありません。

可能な限り、人手を介さないようにしても、自分の体調次第では誰かに任せることも長く続けるうえでは大事。

問題は「一人でいたい・誰とも関わらず仕事をしたい」と思う、うつ病の人が人を雇う苦労。

雇う人を探す・募集をして、面談をして、信頼できるかできないか判断をして・・・。

考えただけで疲れますね。

そこで「類は友を呼ぶ」法則を活かしていくことが有効だと語る著者。

雇うなら、うつ病の人を。

そうすることで、自分も相手もしんどい状況がわかりますし、元気が良すぎる人と会って疲れることもない。

ただし、雇ったスタッフも元気がないときは当然にやってきます。

それでも問題なく事業が回る仕組みを作ることが肝だと思うのですが、その具体的ノウハウは事業次第なので実現は難しい気もしましたが、本書にヒントは転がっていて考えさせられました。

第9章 うつの人が生き延びる方法を大富豪から学ぼう

意外な事実。

大富豪と呼ばれる方々は、うつ病の人になりやすい性格と共通点が多いというのです。

「日焼けで黒光りした素肌に、白く輝く前歯が素敵なパーティー好き」というのが起業家のステレオタイプ(固定観念)ではないでしょうか。

でも実際は、偏執的に物事を考えるような人が多いといことを以下の書籍を引用しながら説明してくれています。

当たり前ですが、起業家としてのアピールが上手な一部の人間がイメージを形成しているだけなんですね。

第10章 うつの人と社会との関係について考えよう

最後の章では、社会の在り方についての意見を述べている章です。

なので具体的なノウハウみたいなものが書かれているわけではないですが、うつ病経験者は読んでください。

著者は「うつ病患者でも活躍できる国でないと、日本は沈没する」と述べています。

私も、うつ病の人が活躍できる状況を整えることは、労働生産人口が減っていく日本にとって国家レベルの問題なんじゃないかと思います。

うつ病だろうと優れた才能を持っている人はいる。

たまたま調子が悪くて働けないだけなんです。

だからこちらの記事で紹介しているような「うつ病経験者の就労支援サービス」がもっと一般的になれば良いなと、改めて思いました。

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最後に

うつ病を経験したからこそ、生き方を考え直す機会を得られた。

私はそんな風に思っています。

うつでも起業で生きていくの著者も同じように、自分の性格を知っているからこそ、「起業」という道を選んだんです。

苦しく険しい道のりだと想像される「起業」対するイメージを一変させ、うつ病の人にも身近な選択肢として提示してくれた本書。

うつ病と向き合い生活をする人にはぜひ読んでもらいたい1冊です。

もしよろしければ、うつ病を経験して回復期に至った現在もコンサルタントという仕事を続ける「きつね」の記事も読んでいってください。

少しでも、あなたの力になれば嬉しいです。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • はじめまして。かずきびと申します。

    きつねさんのブログ、興味深く拝見させていただきました。

    情報も新鮮で、共感できる箇所がとても多かったです。
    (私もうつ病・起業・コンサルタント経験者です。)

    今後も更新、楽しみにしています。
    よろしくお願いいたします!

    • かずきびさん
      コメントありがとうございます。
      経験も近しいという方に読んでいただけて嬉しいです。

      これからも新鮮で良い情報を届けられるようにがんばります!!

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